会社の資本金の意味とは?

定款作成時に決めなければならない資本金とは

自分で合同会社を設立しようと思い立った時にわからないことと言えば、「資本金って何のこと?」ということではないでしょうか。

というのは、定款(会社の組織や活動について定めた根本原則を記した書面のこと)を作成しようとしていると、「資本金」の額を決めなければならないことに気がつくからです。

ただ、会社を作った経験がない人からすると、「資本金って一体何のこと?」という感じで、さっぱりわからないのではないでしょうか?

資本金を一言で表現するなら、「会社を作るためにコツコツと貯めてきたお金のこと」と言えば分かりやすいのではないかと思います。

今回は、そんな会社の資本金のことについて、詳しくお話していきます。

資本金とは?

資本金とは会社を作るために準備した、出資したお金(ビジネスの元手となるお金)のことをいいます。

そう言われても会社を作ったことがない人の場合、ビジネスの元手とは一体何のことなのかわからないのではないかと思います。

ですので、もう少し詳しく説明してきますね。

一般的に会社を作るための順番は以下の通りになります。

  1. 会社の設立登記(定款の作成から法務局登録まで) ← 資本金でカバー
  2. 会社設立後の開業準備 ← 資本金でカバー
  3. 営業開始直後の売上利益が不安定な期間 ← 資本金でカバー
  4. 事業が安定成長する

会社を作る1番のステップとなるのが、法務局で行う会社の設立登記という申請です。

その設立登記に必要な書類として、ビジネスの元手を振り込んだ銀行口座の通帳の写し(個人名の口座通帳のコピーのこと)が必要となります。

出資金の払込の通帳コピー

この会社設立前のタイミングで会社設立を考えている人(あなた自身)が自費で準備して、個人口座に振り込むお金の事を資本金といい、①の設立登記や②の開業準備期間、③の会社設立直後で売上利益が不安定な時期を乗り越えるために使っていきます。

例えば、設立登記であればその際に必要なお金(印紙代など)も、通帳のコピーを撮った後であればそのお金を使っていってもOKですし、開業準備であればお店を開くための場所代(賃料や土地代)、営業するために必要なものの購入なども資本金を使って対応していきます。

その後、営業を開始したのはいいものの、すぐに充分な売上があるとは限りませんし、例えお客さんが来なくても人件費や賃料、電気代など、たくさんの経費がかかってきます。

このような時期(一般的には2~3ヶ月の期間としている)で必要な経費についても、会社設立前に準備しておいた資本金を使って乗り切っていくことになります。

ここまで理解できてくると、一般的には資本金というと会社の資産(現預金など)のように感じることが多いと思いますが、そうではないことに気が付きますね。

資本金とは単に会社の所有者(設立者、株式会社の場合は株主)から預かった過去のお金(ビジネスの元手)のことなのです。

このように具体的な会社設立のステップをイメージすると分かってくると思いますが、資本金というのは会社設立前までに準備したお金であり、会社設立直後から売上や利益が順調に得られるまでの期間を乗り切るために使われるものだと思っておけばいいでしょう。

資本金の最低額はいくらなのか?

以前までは、資本金の最低額は株式会社の場合で1000万円、有限会社(現在は作ることができなくなった)の場合で300万円と決まっていました。(最低資本金制度)

ですので、昔の人は大変な思いをしてお金を貯める、または借りるなどして会社を作るためのお金を準備する必要があったのです。

ですが、現行の会社法が施行されてからは、株式会社や合同会社等でも資本金1円から会社を設立して維持することが可能となりました。

ただ実際のところ、1円を個人の銀行口座に振り込んで会社の設立申請を通したとしても、その後の開業準備や売上が上がって来る(お金が手に入る)期間に使えるお金が1円しかありません。

こうなってくると、会社のオーナーが会社にお金を融通する必要が出てきてしまいます。

別にこの事自体は法的に問題があるわけではないのですが、仮に今後金融機関から借入をするような場合、このような会社は「オーナーからお金を受け取らないと存続できない会社」→「自立して利益を出している会社ではない」→「貸したお金が帰ってこない可能性が高い」→「銀行からの融資が受けられない」という事になってしまう可能性が非常に高いでしょう。

ですので、金融機関から借入せずに、オーナーからもらえるお金だけで会社を大きくしていけるのであれば、資本金1円の会社も存続可能ということになります。

ただ、最近では資本金1円会社では、銀行の法人口座すら開設することができない(窓口で断られる、口座開設の審査で落とされる)というケースも目立ってきています。

このように「資本金の額が大きい」≒「安心して取引できる会社である」、逆に言い換えれば、「資本金の額が小さい」≒「信用していい会社なのか分からない」という資本金の額が周の人たちに与える印象(先入観)や影響が実際にあったりするのも事実です。

ちなみに、法務局などで数百円程度の手数料を支払って登記簿謄本(登記事項証明書など)を取り寄せれば、誰でも気になる会社の情報(所在地や資本金の額、営業内容、役員の氏名など)を調べることができます。

>>会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ|法務局

上記のような証明書を申請する際に必要な法人番号などは、こちらのHPから検索することが可能です。

国税庁法人番号公表サイト

出典)法人番号公表サイト|国税庁

資本金の額が大きければいいというわけではないのですが、あまりにも少額だと相手に不信感を与えてしまうことがありますので、常識的な範囲(会社設立後から事業が軌道に乗るまでに必要な額ぐらい、だいたい50~300万円程度)を準備しておくのがいいのではないかと思います。

逆に、あまりないことだとは思いますが、資本金の額が1000万円を超えてくると、法人住民税が高くなってしまったり、消費税の納税義務が発生したりしてきますので、ご参考まで。

資本金は全額自費で準備するもの(見せ金はダメ)なのか?

資本金の見せ金とは、会社を設立する際に必要となる個人口座へ振り込むためのお金を借金で賄い、会社設立直後、すぐにその借金返済のためのお金を会社から個人(役員)が受け取る(会社から借り入れる)行為のことをいいます。

資本金を大きく見せたい理由の一つに考えられるのは、銀行などの金融機関からの多額の融資を引き出したいという思惑があるからだと思います。

資本金は会社の元手なので、その額が大きければそれなりに信用がある(会社にお金がある)ということになりますので、銀行からの融資も通りやすくなるからです。

ただ、見せ金という手法は古くからある手法なので、銀行の方も融資を審査する際に個人の通帳を確認したりして、「資本金がどうやって貯められたのか?」を細かくチェックしていきます。

個人の通帳にいきなりドカンとお金(借入などによるもの)が入ってきた場合と、毎年コツコツ貯められてきたお金の場合、どちらの方が銀行に良い印象を与えられる思いますか?

答えはもちろん後者で、ちゃんと自分で貯めてきたお金だと証明できる物がある方が、融資に有利に働きます。

「タンス預金を使ったんだ!」というケースもあると思いますが、証拠がないものは審査に有利に働くことはありませんので、そのような場合はその金が本当に自分が貯めてきたものだということを何らかの方法で証明する必要があります。

ですので、金融機関から融資を受けて会社を設立したいと思い立ったら、まずは資本金を預金口座などにコツコツ貯めたという客観的な証拠(通帳に記載された数字)を残すことからはじめていくのがいいでしょう。

ちなみに、見せ金は名前の通り本来会社にあるべきお金がなくなってしまうことになりますが、これは最悪の場合、公正証書原本不実記載等罪に当たる可能性があります。

(出資の履行を仮装した場合の責任等)
第52条の2

1、発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。

一  第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合 払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
二  第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合 給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)

2、前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

3、発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。

4、発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払若しくは給付又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。

5、前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。

また、会社から個人(役員)にお金が支払われる(または、会社にいつまで立っても返済のない借金をしている)というのは賞与と同じことなので、所得税の課税対象になる可能性もあります。

このような理由から、資本金に見せ金を使ってもいいことは全くありませんので、自己資金で準備するようにしていきましょう。

なお、一人社長(役員兼従業員が一人の会社)で会社を設立するわけではない場合、出資者を募る、つまり資本金を提供してくれる人を役員を招き入れる(定款に役員として名前を乗せる)ことで資本金を手に入れることも可能です。

どうしても必要な資本金が手に入らない場合は、資本金が溜まるまで会社の設立を延期して、いったん仕切り直すをいう事も考えていきましょう。

最後に一言

今回は、会社の資本金の意味とは?についてお話しました。

資本金とはビジネスの元手となるお金のことで、会社を設立する人が借金をせずに貯金して貯めておかなければならないものです。

この事を知っていると、資本金が大きな会社はある程度信頼できるということが分かってきますし、資本金が極端に少ない会社は信用されづらいということが感覚的に分かってくると思います。

是非参考にしてみてくださいね。

それでは!

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