【1月末〆切】法定調書の具体的な書き方と提出方法(ひとり社長編)

法定調書の記入例と書き方について

会社を設立したら、毎年1月末までに税務署に提出しなければならいのが法定調書(合計表)です。

法定調書という言葉を聞いた瞬間、なんだか作成するのが難しそうに感じてしまいますよね。

ただ、税理士を雇っていないひとり社長の極小会社の場合、条件にもよりますが、提出書類がたった一枚だけで良いこともあったりします。

今回は、そんな毎年1月末ごろまでに提出しなければならない会社の法定調書の具体的な記入から提出方法まで、自分一人で作成提出できるよう詳しくお話していきます。

なお、同じタイミングで市役所などに提出しなければならない給与支払報告書(市県民税関係の書類)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

>>給与支払報告書の具体的な書き方と提出方法(ひとり社長編)

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法定調書とは?

まずはじめに、法定調書とは一体どういうもののことかということについてお話していきます。

法定調書とは、会社などの法人が毎年1月末までに税務署への提出が義務付けられている支払などに関する以下の書類のことをいいます。

  • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(必須)
  • 各種支払調書(条件に当てはまる場合のみ)
    →「給与所得(退職所得)の源泉徴収票」、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」、「不動産に関する支払調書」など

法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料をいいます。現在、以下の60種類の法定調書があります。

出典)No.7401 法定調書の種類|国税庁

この中で必ず作成しなければならないのは「給与所得の源泉徴収等の法定調書合計表」で、その他の書類(支払調書と呼ばれるもの)については、条件に合致する場合にのみ合計表と一緒に提出する必要があります。

60種類もあると言われると「え~・・・、そんなにもあるの?」と思うかもしれませんが、条件に合致する場合のみの提出ですので、ひとり社長の場合、実際に提出すべきものは1~5枚程度になることがほとんどでしょう。

具体的な各種支払調書の提出範囲については、3ページ目で解説しています。

なお、法定調書のより詳しい説明については、以下のページが参考になると思います。

>>法定調書|国税庁

給与所得の源泉徴収等の法定調書合計表

法定調書の記入例と書き方について

法定調書の記入用紙の入手方法

法定調書の記入用紙は、毎年11月中旬ごろに会社宛に送られてくる税務署からの郵便物(年末調整で使う書類も入っているもの)の中に入っています。

税務署から送られてくる年末調整のための書類

もし、1月になってもこのような封筒が送られてこない場合は、税務署に問い合わせをして書類を受け取っておきましょう。

法定調書合計表への記入方法

ここからは、必ずすべての人が提出しなければならない給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の記入方法についてお話していきます。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のフォーマット(全体)

法定調書合計表(上段)

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のフォーマット(上段)

  • 署番号
    →はじめから印刷されていることがほとんどです。空欄の場合は、管轄の「税務署名 署番号」と検索して記入します。
  • 提出年月日
    →この合計表の提出する日付を記入します。
  • 税務署長の宛名
    →提出先となる税務署の名前(この書類が入っていた封筒に記載あり)を記入します。右上にある「署番号」をネット検索して税務署の名前を確認してもOKです。
  • 事業種目
    →空欄でOKです。
  • 整理番号
    →はじめから印刷されていることがほとんどです。整理番号は会社ごとに異なりますので、空欄だったの場合は提出する際に窓口で確認して記入します。
  • 提出者
    →会社の住所、電話番号、会社名、法人番号、代表者氏名を記入し、代表者印を押印します。
  • 調書の提出区分
    →本年初めての提出であれば「(新規=)1」を記入します。(それ以外の場合は、「追加=2」、「訂正=3」、「無効=4」を記入してください。)
  • 提出媒体
    →どういう媒体(書類、CDなど)で支払調書(条件に当てはまった場合に提出する書類のこと)を提出するか(「電子=14」、「FD=15」、「MO=16」、「CD=17」、「DVD=18」、「書面=30」、「その他=99」)を記入します。支払調書の提出がない場合は空欄のままでOKです。
  • 作成担当者
    →法定調書の作成者の名前を記入します。ひとり社長の場合は自分の名前を記入しておきましょう。
  • 本店など一括提出
    →基本、空欄のままでOKです。
  • 翌年以降送付
    →基本、空欄のままでOKです。
  • 作成税理士署名押印
    →税理士の人が作成した場合に記入する欄です。自分で作成した場合は空欄のままでOKです。

法定調書合計表(中段)

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のフォーマット(中段)

  • 区分
    →ひとり社長の役員報酬(給与)の場合、「俸給、給与、賞与等の総額」の欄に記入していきます。
  • 人員
    →実人数(1人の人が1年で12回給与を受け取っていても、実人数の「1」となる)を記入します。
  • 左のうち、源泉徴収税のない者
    →源泉徴収所得税額が「0円」となっている人の数(実人数)を記入します。例えば、ひとり社長で月額が約8万円以下であれば、源泉所得税は「0円」となりますので、その場合はこの欄に「1」を記入することになります。
  • 支払金額
    →源泉徴収税などの各種控除などを差し引く前の金額(年末調整の際に作成した源泉徴収票に記載されている「支払金額」のこと、前年の1~12月の分)を記入します。
  • 源泉徴収税額
    →源泉徴収した所得税額の合計額を記入します。税額が0円の場合は「0」と記入しておきましょう。

法定調書合計表(下段、その他)

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のフォーマット(下段、その他)

法定調書の下段(その他)の部分については、該当がある場合(支払調書を作成しなければならない場合)のみ記入します。

該当がない場合は、(摘要)の欄に「該当なし」を記入しておきましょう。

お疲れ様です。

これで、必ずすべての人が提出しなければならない「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の作成は完了です。

支払調書の提出範囲について

各種支払調書は、条件に該当する支払いがある場合のみ、法定調書合計表に添付して提出する必要があります。

ここでは、小規模な会社に該当しそうな2つの支払調書の提出範囲についてお話していきます。

下記の内容に該当がない場合は、前のページで作成した法定調書合計表のみの提出となりますので、次のページ(4ページ目)で提出方法を御覧ください。

【支払調書その1】給与所得の源泉徴収票の提出範囲

源泉徴収票の記入用紙は複写式

下記の条件に当てはまる場合、年末調整の際に作成した給与所得の源泉徴収票(税務署提出用、1枚)を法定調書合計表に添付する必要があります。

支払調書の作成条件(給与所得の源泉徴収票)

出典)平成30年 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引|国税庁

例えば、ひとり社長で月額8万円程度(所得税額を0円にしている)ような場合、法人の役員は150万円を超えている場合のみ源泉徴収票の提出が必要となっていますので、この場合は源泉徴収票の提出しなくて良いということになります。

提出が必要な場合は、年末調整の際に作成した源泉徴収票(税務署提出用と書かれているもの、4枚作ったうちの1枚)を法定調書合計表に添付して提出しましょう。

【支払調書その2】報酬、料金、契約金、及び賞金の支払調書

法定調書(報酬、料金、契約金、及び賞金の支払調書)

報酬、料金、契約金、及び賞金の支払調書は、弁護士や税理士などに支払った報酬などがある場合に提出する必要があります。

具体的な提出範囲については、以下のページが参考になると思います。

1 提出範囲
「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲は、次のようになっています。

(1) 外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
(2) 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額
(3) プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(4) 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
(5) 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

出典)No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

なお、この支払調書の具体的な記入方法については、以下のページが参考になると思います。

>>平成30年 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引|国税庁

退職所得の源泉徴収票・特別徴収票の記入例

出典)第4 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(PDF)|国税庁

今回はひとり社長のような小さな会社の場合に提出する必要がありそうな支払調書を2つに絞って紹介してきましたが、それ以外にも、不動産関係で取引があった場合などはそれに応じた支払調書を作成提出する必要があります。

詳しくは下記のページを確認したり、税務署の相談窓口で確認しておくといいでしょう。

>>法定調書|国税庁

法定調書の提出方法について

作成した法定調書合計表や各種支払調書(提出範囲に該当した場合のみ)は、1月末日までに最寄りの税務署に提出していきます。

提出方法には郵送(控えを受け取るための返信用封筒と切手を同封する)などの方法もありますが、初めての提出の場合は税務署の窓口で直接提出するようにし、簡単な記入漏れなどをその場で確認してもらっておきましょう。

なお、法定調書の提出が終わると、受付印が押された控えを受け取ることが出来ます。

受付印が押された法定調書合計表の控え

法定調書や支払調書は保管義務はありませんが、税務署にどのような内容の申告をしたかということを忘れないようにするためにも、ファイリングして保管しておくことをおすすめします。

ここで、支払調書などには取引先の人のマイナンバーなどが書かれていることもあり、それを社内で保管していいのかということについては、下記の内容が参考になると思います。

Q6-4-2 支払調書の控えには保存義務が課されていませんが、支払調書の作成・提出後個人番号が記載された支払調書の控えを保管することができますか。
A6-4-2 支払調書を正しく作成して提出したかを確認するために支払調書の控えを保管することは、個人番号関係事務の一環として認められると考えられます。
支払調書の控えを保管する期間については、確認の必要性及び特定個人情報の保有に係る安全性を勘案し、事業者において判断してください。なお、税務における更正決定等の期間制限に鑑みると、保管できる期間は最長でも7年が限度であると考えられます。(平成27年4月追加)

引用)「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」及び「(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」 に関するQ&A|個人情報保護委員会

法定調書の修正訂正や追加提出について

法定調書を提出した後、内容を修正する必要があったり、支払調書の出し忘れがあったりした場合は、下記の方法で訂正追加をすることが出来ます。

>>法定調書の訂正・追加について(PDF)|国税庁

最後に一言

今回は、【1月末〆切】法定調書の具体的な書き方と提出方法(ひとり社長編)についてお話しました。

ひとり社長のような小規模な会社の場合、作成しなければならない書類の数も少なくなることがほとんどですので、税理士の力を借りず、自分一人で書類を作成することができると思います。

国税庁のHP(法定調書)や税務署の相談窓口(電話予約をしておくと良い)を活用しながら、法定調書を作成していきましょう。

なお、同じタイミングで市役所などに提出しなければならない給与支払報告書(市県民税関係の書類)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

>>給与支払報告書の具体的な書き方と提出方法(ひとり社長編)

それでは!

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