【毎月給与と年末調整】源泉徴収簿の書き方と記入例まとめ(ひとり社長編)

年末調整の際の源泉徴収簿への記入方法

ここからは、年末調整の際の源泉徴収簿への記入方法について説明していきます。

年末調整は本年最後の給与支払日までに行います。

それによって、本来支払うべき税額と源泉徴収した税額との差額を調整する事ができますので、多くの役員や従業員は確定申告をすることなく、所得税の納付を会社側の事務作業の範囲内で終えることができます。

ひとり社長の会社の場合、所得が会社からの役員給与のみであれば、この年末調整で税務申告は完了となりますが、その他の所得がある場合は会社側での年末調整に加えて、個人として確定申告も引き続き行っていかなければなりません。

そのような場合、各種控除については、手続きに慣れているであろう確定申告の方で行うほうが簡単だと思いますので、そのような場合は年末調整で各種控除の計算はしないで、確定申告の方で申告するという流れでもOKということを知っておきましょう。

【STEP1】源泉徴収簿の表側左の欄

源泉徴収簿(表、左)

まずはじめに、本年最後の給与支払(12月支払分)の記入をしていきましょう。

この時、記入をするのは「算出税額」までとし、「年末調整による過不足税額」や「差引徴収税額」の欄は空欄にしておいてください。

そして、一番下の欄の①(総支給金額)、②(社会保険料等の控除額)、③(算出税額)の欄にそれぞれの合計額を計算して記入します。

この①、②、③の金額は後ほど源泉徴収簿の右側の方に転記することになります。

ひとり社長の場合、役員に賞与を支給することはありません(基本的には会社の損金とすることができない)ので、その下の賞与の欄の④~⑥は空欄のままでOKです。

【STEP2】源泉徴収簿の表側右上の欄

源泉徴収簿(表、右)

次に、源泉徴収簿の表側右上の部分に記入していきます。

  • 前年の年末調整に基づき繰り越した過不足税額
    →該当しない場合は空欄のままでOK。
  • 道場の税額につき還付又は徴収した月区分
    →該当しない場合は空欄のままでOK。
  • 扶養控除等の申告
    年末調整の手順通りに役員や従業員などから回収した給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を手元に用意します。この申告書が手元にある場合は「申告の有無」の「有」に○(給与の支払が2箇所以上ある人以外は基本的に○になる)をします。次に、その扶養控除等(異動)申告書に記載の内容を源泉徴収簿に転記していきます。人数などに変更がある場合は、二重線などでは修正せず、その都度下の欄に追記していきましょう。

【STEP3】源泉徴収簿の表側右下の欄

源泉徴収簿(表、右下)

ここからは、いよいよ年末調整額の具体的な金額の計算に入っていきます。

  • 給与・手当等
    →先ほど左側の欄で計算した①(総支給金額)と③(算出税額)の金額を転記します。
  • 賞与等
    →賞与の支払がない場合は空欄のままでOKです。

  • →①+④の値を⑦へ、③+⑥の値を⑧へ記入します。④と⑥が空欄の場合は、①と③の金額をそのまま⑦と⑧へ記入します。
  • 給与所得控除後の給与などの金額
    →11月末頃に会社に郵送で送られてくる封筒の中に入っている「年末調整のしかた」(国税庁HPでダウンロード可能)に記載されている「年末調整等のための給与所得控除後の給与などの金額の表」を参考に、「給与所得控除後の給与などの金額」を⑨に記入します。
  • 社会保険料等控除額
    →⑩のところに、源泉徴収簿の左下の②+⑤の金額を記入します。⑪(申告による社会保険料の控除分)や⑫(申告による小規模企業共済等掛金の控除分)については、該当がない場合や確定申告で申告する場合は空欄のままでOKです。
  • 生命保険料の控除額
    年末調整の前準備として事前に配布回収しておいた給与所得者の保険料控除申告書を参考に控除額を転記します。該当がない場合や、確定申告で申告する場合は空欄のままでOKです。
  • 地震保険料の控除額
    →こちらも、年末調整の前準備として事前に配布回収しておいた給与所得者の保険料控除申告書を参考に控除額を転記します。該当がない場合や、確定申告で申告する場合は空欄のままでOKです。
  • 配偶者(特別)控除額
    年末調整の前準備として事前に配布回収しておいた給与所得者の配偶者控除など申告書を参考に控除額を記入します。該当がない場合や、確定申告で申告する場合は空欄のままでOKです。
  • 扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額
    →11月末頃に会社に郵送で送られてくる封筒の中に入っている「年末調整のしかた」(国税庁HPでダウンロード可能)に記載されている「扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額の早見表」で調べた控除額を記入します。
  • 所得控除額の合計額
    →先程までに記入した⑪~⑯の合計額を⑰に記入します。
  • 差引課税給与所得金額及び算出所得税額
    →先程までに記入した⑰から⑨を差し引いた金額を⑱に記入します。給与額が小さいなどの理由から値がマイナスになった場合は「0」を記入します。⑲については「年末調整のしかた」(国税庁HPでダウンロード可能)に記載されている「算出所得税額と年長年税額の計算」というところを参考にて算出した算出所得税額を記入します。
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額
    年末調整の前準備として事前に回収しておいた給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書を参考に控除額を記入します。該当がない場合や、確定申告で申告する場合は空欄のままでOKです。
  • 年調所得税額
    →先程までに記入した⑲から⑳を差し引いた額を記入します。計算した結果、金額がマイナスになった場合は「0」を記入します。
  • 年調年税額
    →先程までに記入した㉑×1.021(102.1%)を計算し、その金額を記入します。
  • 差引超過額又は不足額
    →先程までに記入した㉒から⑧を差し引いた値を記入します。この㉓の値が「0」となった場合は年末調整の計算はここで終わりです。このような場合は次のステップに進んでください。
  • 超過額の精算
    →㉓の額がマイナスになった場合、毎月、従業員や役員が支払ってきた源泉所得税の合計額よりも本来支払うべき所得税額の方が少なかったということになります。そのような場合h、㉔~㉖の欄に記入をしてください。
  • 不足額の精算
    →㉓の額がプラスの値である場合、毎月、従業員や役員が支払ってきた源泉所得税の合計額よりも本来支払うべき所得税額のほうが多いということになります。そのような場合は㉙や㉚の欄に記入してください。

【STEP4】源泉徴収簿の表側左の欄

源泉徴収簿(表、左)

源泉徴収簿の年末調整の計算が終わったら、また源泉徴収簿の右側の欄の記入を進めて行きます。

記入をストップしておいた12月支払分の「年末調整による過不足額」というところに、先程までに計算した額(過不足なしの場合は「0」、過不足がある場合はその額)を記入します。

そして、一番左の列の「差引徴収税額」のところに「算出税額」と「年末調整による過不足税額」を足し合わせた額を記入します。

【STEP5】本年最後の給与支払い手続きを行う

上記までで源泉徴収簿による年末調整の計算作業は完了となりますので、その内容を元に本年最後の給与の支払い(明細書の作成配布、給与の振込手続き)を行っていってください。

>>【会社経理】役員報酬額の決め方や毎月の給与明細の作り方と仕訳例まとめ

お疲れ様でした。

これで年末調整の際におこなう源泉徴収簿の記入は完了です。

最後に一言

今回は、【毎月給与と年末調整】源泉徴収簿の書き方と記入例まとめ(ひとり社長編)についてお話しました。

年末調整で使う源泉徴収簿は記入欄がたくさんあるためかなり難しそうに見えますが、一度やってしまえばこんなものかという感じになると思います。

なお、各種控除については、年末調整なくても確定申告の方で申告するという選択肢もあります。

確定申告のほうが慣れている人、かつ、給与所得以外にも所得が合って確定申告しなければならないという場合、各種控除を年末調整で行うのではなく、確定申告の方で申告する方が楽かもしれません。

また、ひとり社長で受け取る会社からの役員給与額をあえて少なめ(毎月の給与額が約8万円以下のレベル)に設定したような場合、毎月の源泉徴収される所得税は0円となり、年末に計算するその年の所得税額も0円になるため、実質的に年末調整をする必要がなくなり、この源泉徴収簿への記入作業はとても簡単なものとなります。

このあたりのことも是非参考にしてみてくださいね。

それでは!

スポンサーリンク